数百万、数千万もする家をキャッシュ一括で購入する人は…ほとんどいないと思います。
多くの方が住宅ローンを組んでいます。何も知らないと「ローンってなんか怖い…」と思ってしまいますが、しっかり理解して使うと非常に便利な制度です。
今回は、この住宅ローンの種類や返済、役立つ減税や制度について解説します。
まずは知っておきたい変動金利と固定金利
これから住宅ローンを利用して家を買う予定の人は変動金利と固定金利というフレーズを聞いたことがあると思います。
変動金利は当初の金利がとても低く設定されています。金利は半年に一回見直しがされます。金利は低いですがその名の通り変動するリスクを伴います。
固定金利とは一定の期間金利が固定されます。一般的に3年固定、5年固定、10年固定といった商品があります。
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最近では金融機関によっては2年固定という商品も発表されています。固定期間中は金利が一定ですので安心です。ただし変動金利よりも金利が高い設定になっています。固定期間終了時は再度金利を選択することができます。しかし、手続きをしないと変動金利に自動的に切り替わ
るので注意が必要です。
変動金利と固定金利のどちらを選択しても、将来の金利変動のリスクを検討しなければなりません。一般的に金利が上昇する場合は社会の景気も良くなっていると考えられますので、マイナス点ばかりではありません。最初だけでも低金利のローンを利用してその間に貯蓄をして、金利切り替えのタイミングで繰り上げ返済をする方法もおすすめです。
住宅は高額商品ですのでローンの借入金額も大きくなります。当初の返済金額を低くすることだけに気を取られず、長い目でみて商品を選択していただければ幸いです。
なお、どちらの商品も金利の切り替えのタイミングが手続きした次の日から内容が反映される金融機関もあれば、反映までタイムラグがある金融機関もありますので、事前に確認しておくと安心かと思います。
住宅ローンの返済について
家を買う際に、ほとんどの方が住宅ローンの利用を検討していると思います。住宅ローンには、様々な商品がありますので、金融機関で一度試算をお願いしてみるのも参考になります。
まず、住宅ローンの返済方法についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。返済については、月々のみの場合と、年二回のボーナス払い併用の場合とが選択できます。ボーナス払いに回せる金額については、借入する額の半分が上限となっている金融機関が多いようです。
毎月の返済日と年二回のボーナス返済月は任意で選択できます。注意が必要なところは、ボーナス返済月は、毎月の返済分と合わせてボーナス払い分が引き落としになることです。返済用通帳の残高のチェックが必要です。
また、毎月の返済日を月末ぎりぎりに設定してしまうと、万が一通帳の残高不足で引き落としができなかった場合、次の月まで支払いを延滞してしまう可能性が高くなります。そうすると個人信用情報に延滞の記録が残ってしまう場合があります。今後の新たなローン利用時に悪い影響を与える可能性がありますので注意して下さい。
住宅ローンの返済に有効活用して頂きたい手法が繰り上げ返済です。毎月とボーナス払いの他に、まとまった金額でローンの返済を行うことができます。元本を返済することができますので、利息軽減に大きく影響します。繰り上げ返済を行う場合は、どんどん借入年数を短縮して頂ければと思います。返済額を減らす方法と借入年数を減らす方法が選択できますが、借入年数を短縮して頂いたほうが、利息が減りますのでおすすめです。ぜひご利用下さい。
絶対に知っておきたい住宅ローン減税の活用
家を買う場合に住宅ローンを利用した方に活用して頂きたい制度があります。それは住宅ローン減税です。10年間、住宅ローンを借りている人の年末調整時にローン残高に対しての一定の割合の金額が控除されます。控除される額はその人の納めている所得税の範囲内になります。
利用する方法としては、住宅ローンを利用して購入した家に入居した年の翌年の確定申告時に手続きを行います。初回のみ申告手続きが必要ですがその後、サラリーマンの方は職場での年末調整時に手続きが可能になります。
注意するポイントは、住宅ローンを利用して購入した家に入居した年によって利用できる住宅ローン減税の上限額が異なってきます。年始や年末などに引っ越し予定の方がいれば制度概要を税務署にご確認されることをおすすめします。
可能であれば、ローン減税を有効に活用できる時期に入居されたほうが良いかと思います。
また、購入する家によっても住宅ローン減税の上限額が変わります。国で定めている一定の基準をクリアした住宅で長期優良住宅認定制度を利用していますと優遇が受けられます。
事前にどのくらいの金額が控除されるか試算することができますのでぜひご利用下さい。税務署のホームページから専用のページにアクセス可能です。その際は最新の源泉徴収票とローンの残高がわかる資料がお手元にあると良いかと思います。
住宅ローン減税はローン返済中の方には大きなメリットがありますのでぜひ忘れずに申告して下さい。
住宅ローンのフラット35について
家を買う予定の方の多くが住宅ローンを利用して代金の支払いをすると思います。ローンにはいくつかの種類がありますので、各商品の特性を踏まえて商品選択をして頂ければと思います。
まず、長期間金利固定のフラット35があります。これは、住宅金融支援機構が行っている融資になります。窓口は各金融機関になります。金利については、窓口の金融機関によって若干の違いがあります。
フラット35のメリットは金利が35年間一定であることです。返済の予測ができますので、家を建ててからの家計の状況を想定することができます。
通常の金融機関のローンと審査基準が異なることもメリットとなる場合があります。例えば、勤続年数が短い方でも、職場から、勤務した期間だけの収入証明書を取得すれば審査可能です。勤務形態が正社員だけでなく、その他の扱いの方でも利用可能になります
また、年収に対する住宅ローンの年間支払い額で見る年返済率が、年収400万円以下の方は30%以下、年収400万円以上の方は35%以下まで借入可能になります。このように、目安が公表されているところも一般の金融機関の住宅ローンとは異なるところです。
さらに、住宅ローンを利用する際は、一般的には団体信用生命保険に加入する必要があります。これは金融機関が保険料を負担して加入するものになりますが、フラット35の場合は任意での加入になり、保険料の負担は個人になります。例えば、過去の病歴などで保険加入ができない人ですと一般の金融機関の住宅ローンは利用できません。
しかし、フラット35ですと任意での保険加入ですので、加入しないで借入が可能になります。
このように、一般の住宅ローンとは違い、消費者が利用しやすいフラット35をぜひご活用頂ければと思います。長期間の固定金利ですので、若干金利は高めではありますが、安心料として考えて頂ければよいかと思います。
頭金を準備するならどれくらいが妥当?
家を買う場合、どのくらいの頭金を準備すればよいか悩んでいる方が多いようです。住宅ローンを使う場合は頭金の額が多いほど、ローンの借り入れ額が少なくなるので良いことばかりではありますが、子供の教育資金やその他の生活資金の為の貯金を全額住宅に使うことはできない人がほとんどです。
よく家を買う場合の頭金は総額の2割程度が良いと言われています。これはもとも住宅ローンが計画の8割程度までしか利用できない時代の話がもとになっているようです。時代の流れとともに住宅ローンの商品も変化していますので、現在は頭金が無くでも借入を利用することができます。ですが、家を買う際は少額ではありますが現金で拠出する経費も若干ありますのでご注意下さい。
頭金を出すメリットは単純にローンの借入額を減らし利息を軽減することです。それと同じ効果のある方法として繰り上げ返済があります。繰り上げ返済は、ある程度まとまった金額を一括で返済しますので、元金が減ります。その分借入年数を短くすることができますので、結果利息が軽減される効果が生まれます。
銀行にローンの利用が可能か仮審査を提出する際は、ある程度の頭金を出せるほうが有利な条件で融資承認をもらうことができると言われています。しかし、無理して頭金を捻出して生活が苦しくなることは避けたいので、計画当初にどうしても頭金を出せない場合は、ローンの返済途中に行うことができる繰り上げ返済の活用がおすすめです。