我が家に住むようになって、もう10年が経ちます。さすがに建てた時はピカピカの家でしたが、10年もたてばあちこちにガタが来はじめ、昨年はとうとう屋根と外気をすべてリフォームする工事をしてもらいました。
工務店の方によると、屋根のスレート(うちは瓦ではなく、スレートを使った屋根です)の端が浮いてきていたり、止めている文字かゆるんで方々になっていたりしていそうです。
屋根に上った時の写真も見せてもらいましたがだいぶんひどいものでした。
10年前、それまで住んでいた賃貸のアパートに、どうしても下の娘の学習机が置けなくなり、斜め前の空き地に作りかけていた新築の家を購入することにしました。
だから、夏休みを使って自分たちで運べる本や各自のものは自分たちで運び、どうしても運びきれない物や新しいベッドなどは、運送屋さんにお願いして運んでもらう事にしました。
できかけている時、すぐそこなので何度も見に行きました。今流の「2×4」の建築なので。どこかで作ってきた壁の材料を立て、それでだんだんと家の形ができていくのが不思議でたまりませんでした。
「これで丈夫になるんだろうか、いや逆に日本建築のようにした方が揺れが来たときには重くて耐えられなくなるから、こっちの方がいのかも・・・」
と20年前に「阪神・淡路大震災」を経験し、自宅とその中にあった思い出のものをたくさんなくしてしまった経験があったので、つい、そんな事ばかりが心配になりました。
「とにかく時間はかかってもいいから、ゆっくり丈夫に作ってください」とそればかりをいつも工務店の人たちとの打ち合わせの最後にお願いしていたのを覚えています。
あれかせ10年が経ちます。上の娘はもうすぐ留学へ行って家にいなくなります。
下の娘も、部活の学習塾やピアノにととびまわっているうえに「時期遅れの反抗期」のせいか、家に帰ってきても口数が少なく、すぐに自分の部屋へ行って音楽を聴いています。
というわけでいつも夜は、妻リビングには妻と二人、アイスコーヒーを飲みながら、半分うつらうつらしながらニュースを見ている毎日です。
「こんなのやったらここまで大きな家はいらんかったな」
と、つい冗談もでる始末。家はできても、中身のいる人間が大事なんだよなぁとつくづくと思う今日この頃です。